2011年5月27日 H22羽田地先護岸補修工事におけるヘドロ処理方法について

工事期間平成2348日から平成23630日の予定で施行されている多摩川(羽田3丁目地先)の護岸補修工事に置いて、川底の汚泥を掘り出し、除草後の河川敷に放置するという工事が進行していました。

これにより、付近に悪臭が漂い、近隣の住宅地域にまで達していました。

以下、この件に関する事実関係、および調査と対応について説明します。

 

514日】

514日に、近隣住民から、「草刈りした河川敷に汚泥を上げている」という苦情が羽田ボランティア推進の会事務所に通報されました。

当会代表が、その状況を確認しにいったところ、大型10トントラックが掘り上げた汚泥を草刈りした河川敷に移動させていることを確認しました。

かなりの悪臭があり、環境汚染と感じました。

草刈りした場所に悪臭の汚泥をあげていること、工事の不法性を感じたため、現場工事責任者に工事の中断を申し入れました。

その場で、工事責任者に工事内容の指示内容と発注者について問い合わせたところ、付近の掲示板のお知らせの通り、京浜河川事務所の指示であるとの回答でした。

同日午後、田園調布出張所辻所長に、汚泥を河川敷に投棄したことに関して工事の詳細及び工事指示について電話で問い合わせました。

辻所長の回答は、汚泥中のゴミを分離し、汚泥のみを当該場所へ置くようにとの工事指示であったとの回答でした。

また、悪臭を放つ汚泥を河川敷に放置することについては、不適切であったことを認め、工事の中止とその後の対応について検討する旨の回答でした。

当会からは、悪臭を放つ汚泥については、船かトラックにて移動するなど、環境に影響のない方法で処理することと、それらの処理費用については、税金の無駄遣いを避け、責任ある対処を検討することを合わせて申し入れました。

この申し入れは、これまでの当会のボランティアによる清掃活動や、理念と倫理観に基づくものです。

また、速やかに現場の確認と説明を求め、現場に急行していただきたいと要請しましたが、当日、所長が休日のため、施工業者である日鋪建設株式会社現場代理人の中三川氏に向かって頂くことになりました。

30分後、中三川氏が現場に到着し、工事内容について説明して頂きました。

汚泥の処理方法については、京浜事務所からの指示によるものとの事でした。

処理方法が適正かどうかについて協議したところ、中三川氏も不適切であったことを認め、田園調布出張所長からの工事中断指示があったので、工事は中断しますとのことでした。

 

515日】

午前11時、蒲田警察署生活安全課金田課長代理に、電話にて状況を説明し、現場の確認を依頼しました。

直後に、警察官3名、金田課長代理他2名が現場に来て、当会メンバー5名が立会い、状況を確認しました。

金田課長代理は、一般者がこのような行為をした場合は事件扱いになるが、河川敷の管理者が国土交通省であり、管理地内での行為であるため、事実確認と本部への報告をするとの事でした。

 

516日】

午前10時前、現場に行き、その場にいた田園調布出張所の岸係長と共に状況を確認しました。

夕方1730分に、当会事務所にて、同出張所の辻所長、岸係長と会談し、

    汚泥の汚染状況確認のための地質検査を行う。

    現場状況写真と共に状況を京浜事務所の泉所長へ報告する。

ことを依頼しました。合わせて速やかな結果の回答を要請しました。

今後の汚泥処理方法については、早急にシートパイルによる囲いをして、河川への流失を防ぎ、汚泥については、処理場へ移動し処分するとの説明がありました。

また、現場の立て看板の文言「堤防を強くし、浸水を防ぐため護岸を補修しています」については、理由が工事内容と一致しないため、撤去するとのことでした。(翌日、当該立て看板の撤去と、別の「工事説明図」へ変更されている事を確認済みです)

 

517日】

当会金子副会長の知り合いである神野都議会議員(民主党)に連絡をとり、当会事務所で今後の対応について相談しました。

資料(汚泥の写真)をもって、東京都河川局に東京都での工事基準などを参考として調べてもらうことにしました。

 

520日頃】

神野都議会議員より当会金子副会長に、調査結果の連絡がありました。

東京都河川局での処理方法の基準は以下の方法によるとのことでした。

・汚泥を掘り上げる前に汚泥の地質検査をする。

・検査の結果、必要に応じてシートパイルにより囲み、河川への流失を防ぐ。

・掘り上げた汚泥は、運搬船により処理場へ移動し処理する。

 

523日】

事前に田園調布主張所に連絡を入れ、16時に、田園調布出張所の辻所長、京浜事務所占用調整課長谷部課長、神野都議会議員、当会金子副会長および発起人吉田が、田園調布出張所で、今後の対応について協議をしました。

内容は、これまでの事実確認、東京都河川局での工事基準、環境保護とボランティア活動の理念・倫理への理解と配慮などについて申し入れました。

また、国民の血税の使い方について再認識すると同時に、今回の311震災下における重要性を踏まえ、最大限努力することを共に認識し合いました。

 

524日】

午前10時頃、工事現場に行ったところ、以前と同様に汚泥を河川敷上に放置していたため、現場工事監督の中三川氏に、工事の中断を求めました。

その直後、田園調布主張所辻所長に連絡をしたところ、防犯訓練中で連絡が取れなかったため、京浜事務所の長谷部課長に連絡を取り、昨日の確認内容と異なる工事方法に対して確認を求めました。

長谷部課長から、直ちに工事の中断が指示され、夕方、田園調布出張所辻所長、岸係長と現場で話し、

翌日より汚泥は移動するとの事でした。

 

526日】

汚泥の適切な処理方法と運搬が開始されました。

運搬の為の車両は、専用大型汚泥運搬用トラックによるもので、中三川氏によると運搬1回当たり18万円(目安)、当日は8回運び出したとの事でした(144万円程度)。汚泥の移動先は、横浜市戸塚の処理場とのこと。当工事に必要な運搬台数は、6070台程度の見積もりのようです。

 

【情報開示について】

国土交通省・関東地方整備局 京浜河川事務所のホームページで確認したところ、本工事に関する掲載は、H22羽田地先護岸補修工事の現況写真は確認できましたが、工事内容の詳細、入札、発注に関するデータが見当たらないため、京浜河川事務所に問い合わせ中です。

今後、工事内容の詳細、入札・契約情報について確認し、検証していきたいと考えております。

(継続中)

 

以下工事の様子です。



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